お正月に実家へ帰省したとき、ふと目に留まったリカちゃん。
子どもの頃は、リカちゃん遊びが大好きで、
リカちゃんを片手に色々なシチュエーションを想像しながら、
あれやこれやと洋服を着せ替えしたり、セリフを言ったり。
リカちゃんといると、私の妄想もどんどん膨らみ、
ずーっと飽きることなくリカちゃん遊びを続けたものだ。
確か、中学生になってもやっていたと記憶しているが、
母から、「いつまでやってるの!」など
あれこれ小言を言われたことが一切なかったので、
好きな時に好きなだけ、思う存分に遊び、
もうリカちゃんがいなくても大丈夫!
と思えるところまで遊びきったのだと思う。
たくさんお世話になったリカちゃん。
それなのに遊ばなくなってからは、
着せ替えの洋服やらリカちゃんハウスやスーパーの細々したものとともに
何体ものリカちゃんを袋にギュウギュウ詰めにし、
長い間押し入れにしまい込んでしまっていた。
それから20年ほど経って、勤めていた百貨店を退社し帰省していたある日。
ふとリカちゃんを思い出し、押し入れを開けてみることに。
カビとか生えてるかな、、ゴキブリいませんように、、と
恐る恐る押し入れの中に放置していた袋を開けると、
顔が黒ずんで髪もぐちゃぐちゃに絡まり落ち武者のようになった
無残なリカちゃんたちの姿。
可愛かったリカちゃんの顔も、何となく険しく見え、
「ごめんねリカちゃん、、」と大いに反省。
よし!と一念発起して、カビ臭い洋服やリカちゃんを石けんでキレイに洗い、
洋服は天日に干し、髪をドライヤーで乾かしブラシでとかすと、
生気を取り戻したかのようにみるみる蘇り、何だかリカちゃんも嬉しそう。
そして、今度は押し入れではなく棚に飾った。
その後は、リカちゃんを気に入った親戚の女の子のもとへ。
実家に一体だけ残ったのが、写真のリカちゃんなのである。
思えば、私はリカちゃん遊びと同じようなことを
ずっとしているような気がする。
百貨店では、お客様に合う洋服をコーディネートしていたし、
いまは、その人に似合う色と似合う洋服のデザインをアドバイスしている。
すべて、今日はリカちゃんに何を着せようか♪と
ワクワクしながら遊んでいたことの延長線上にあるのかもしれない。
思う存分一緒に遊んでくれたリカちゃんが、
私に天職をしめしてくれたのかもしれないな。
ありがとう
リカちゃん♡
三木 沙織