パーソナルカラーは
決して女性だけのものではない。
男女問わず、年齢も関係なく
皆さんに喜んでもらえて役に立つ。
年が明けた仕事始め、
「いきいき♪男塾」という集まりで
セミナーをさせていただき、
改めてそう実感した。
いきいき男塾は、
介護予防センターさんが主催する
高齢者男性向けのセミナーの会。
センターの方の話によると、
いま、地域の中で男性の一人暮らしが
増えてきているという現状があり、
高齢の男性の方は、どうしても
家の中でこもってしまう傾向にあるとのこと。
ファッションをテーマにしたセミナーは
今まで開催したことはなかったけれど、
今回、皆さんに自分に合う色を知ってもらい
似合う服を着ることで、少しでも
外出することに楽しみを持っていただけたら、
そして「仲間作り」に結び付けてもらいたい、
という思いからセミナーを
開催する運びになったとのことだった。
当日は、私以外にもうお一人
札幌で活躍されている柳谷真理子先生という
トータルアドバイザーの先生がファッションのお話を。
そして私は、似合う色のお話をして、
その後、近くの某衣料品店に移動。
お店で、実際に洋服をみながら
似合う服のアドバイスをする、という流れだ。
70代後半~80代前半、
日本経済を支えてきた
人生の大先輩である男性の方たち。
その方たちを対象に
似合う色のセミナーをするのは
私もはじめての経験である。
とにかく、似合う色を身に着けると
顔が活き活きと輝き10才は若返ってみえる。
これを体験していただくのが一番!
短い時間の中だったが、
イエローベースとブルーベースとに分かれる色素のこと。
日本の素晴らしい四季の色との調和のお話。
自然の中には自分を引きたててくれる色が沢山ある、
といった「似合う」理論をポイントでお伝えしていく。
そして、何人かに前に出てきてもらって
着る色により、顔映りが
ガラッと変わることを知っていただいた。
ドレープをめくりながら
「それは顔がくすんで見えるね」
「その色はいいね!」
との言葉が飛び交い、
興味を持っていただいているのが
伝わってきて嬉しくなる。
「女性はファンデーションを塗るけど
その場合、似合う色の見え方はどうなるの?」
と、なかなか鋭い視点の質問もいただき、
思わず声を大にして
「そうなんです!だから女性のファンデーション選びは
と~っても大事なんですよっ!!」
と、化粧をしたことのない方たちに
ファンデーションの色選びの重要性について
熱弁をふるう一幕もあり。
とにもかくにも、
似合う色についての皆さんの反応には
予想をはるかに上回るものがあった。
自分の顔が活き活きとし若返って見える
というのは、
若い頃の自分に出会えるような
ときめくような気持ちを
思い出させてくれるものなのかもしれない。
さあ、そしていよいよ
某衣料品店での実践タイムだ。
移動しながら皆さんのお話を伺ってみると、
奥様が買ってきた服を着る
という方がやはり多く、
色もベーシックなグレーや黒などが多いらしい。
せっかく自分に似合う色を知ったのだからと
ベースチェックでブルーベースだった方に、
ワインのようなボルドー色のトレーナーを
お顔にあてて顔映りを見ていただく。
この色は、ブルーベースの肌を引きたて
とても顔色が良く見えるのだ。
「派手、じゃないかな、、?!」
と、少し恥ずかしそうに鏡の中を覗き込みながらも
明らかに若々しく見える自分の姿に
満足している様子が伝わってくる。
顔映りをしっかり確認した後、
「これ買うわ」と
はじめて選ぶボルドー色のトレーナーを
大事そうに抱えてにっこり笑顔を見せてくれた。
私もにっこり。
嬉しい瞬間。
ふと、少し離れたところで
セーターを手に取りながら
少し難しそうな顔をされている方が目につき
「気に入ったものはありましたか?」
と話しかけてみる。
「お店に行っても何を買ったらいいのか
分からないんだよね。
いつも家内が「似合うよ」って
言ってくれてたんだけど、
先に逝っちゃってからは
何がいいのか教えてくれる人がいないから」
と、洋服を買うことから遠ざかっていることを
少し寂しそうに話してくれた。
「奥様はご主人の似合うものを
良く分かっていらっしゃったんですね」
奥様との思い出話を交わしながら、
あずき色と紺色のボーダー柄のセーターが目に留まり
「ちょっといいですか?」と顔の下にあててみた。
血色のいいブルーベースの肌と
大きな瞳が印象的なその方に、
メリハリのきいたブルーベースの色の組み合わせが
とても良く映える。
若々しく見え、ぱっと表情も明るくなった。
「とても良く似合ってますよ。素敵です!」
何で似合うのかをアドバイスしつつ
感じたことを率直にお伝えすると、
「なるほどね、僕は青みの色がいいんだねぇ」
と、はにかみながら素敵な笑顔を見せてくれた。
「何年ぶりかなぁ、服を買うのは」
嬉しそうにお買い物される様子を見ながら
ふと思った。
この仕事をしていなかったら
きっと交わすことのない会話。
それを、年代問わず
はじめて会った方たちとできることや、
「似合う色」を通して
その方の人生に少しでも
関わらせていただくことができること。
その一連の流れに喜びを感じる自分がいる。
「似合う色」は
私にとって、人とコミュニケーションをとる
ひとつの手段であり、
人と出会い話をし
心の交流を交わすことのできるツールが
私の場合「色」だったのだ。
仕事はじめに
大事な原点を思い出させてくれた、いきいき♪男塾。
また、このような機会があれば
人生の大先輩たちと「似合う色」を通して
楽しい時間を共有できたら、と思う。
今年も、できてもできなくとも
まずはやってみよう。
そして、自分の枠をどんどん外しながら、
「色」をツールに
純粋に出会いそのものを楽しんでいきたい。
本年も
どうぞよろしくお願いいたします!
カラーハルモニア
三木 沙織