先日、以前カラー診断を受けてくれたお客様から、
高校生の娘さんが塗っている口紅の色が目立ちすぎて
どうも合っていないように感じているんだけど、、
との相談を受けた。
お小遣いで買い集めているコスメ用品も
素材がどんなものなのか気になっているとのこと。
娘さんに、パーソナルカラー診断を体験させて
自分の持って生まれた個性を活かすメイクもある
ということを知ってもらいたい!とのことだった。
思い返せば私も
はじめてコスメ用品を揃えた10代の頃、
店員さんから勧められるままあれこれ購入して
化粧ポーチをパンパンにしていたっけ。
せっかく揃えたものだからと
持っているもの全部顔に塗りまくり、
メイクした顔を眺めては
「なんだか私っぽくないなぁ、、あなたは誰?」
なんて思ったものだ。
今思うとメイクする必要もなかったのだね。
高校生の娘さんは、
大きくパッチリした黒目が印象的な
とても綺麗な顔立ちをした女の子。
化粧する必要も全くないように思うけど、
今は、コスメグッズも安価で
手軽に購入できるお店がたくさんある。
「化粧で自分を変えてみたい」
そういう年頃なんだろうな、と思った。
よく塗っているリップを見せてもらうと
娘さんの唇の色素のベースとは明らかに違う
鮮やかなオレンジピンク色。
「娘がこれを付けてると、パパが
ナポリタン食べたみたいだなって言うのよねぇ」
と、嘆くお母さん。
娘さんと色々お喋りしながら
「好きな芸能人いるの?」と訊くと、
「ダゼルっていうモデルがいてね。大好きなのー!」
と、スマホでそのダゼルちゃんの画像を見せてくれた。
ダゼルちゃんはお人形さんのような顔立ちで
目が覚めるような真っピンクの口紅を塗っている。
なるほどなるほど。
「このダゼルちゃんのようになりたくて
濃い色のリップを塗っているんだね?」
と娘さんに訊いてみた。
「うん!そうなの!!」
と、大きい目を更に大きく
キラキラさせながら話す娘さん。
大好きな人がいると
その人みたいになりたくて真似したくなる。
私も中学生の頃だったか、
好きな芸能人のポスターを枕元に貼っては
こんな顔になれないもんかなぁ、と夢見たものだ。
娘さんの選ぶリップの色に込められた思いが
少しわかるような気がした。
そしてお母さんの気もちもわかる。
似合うチークやリップの色を知るには
まず自分の肌色のベースがどんな色をしているのか
それを知ることがとても大切なこと。
どんなピンクの色素をもっているか、
そして自分はどんな個性をもっているのか。
そんなお話をしながら、
いざ!パーソナルカラー診断へ。
娘さんの顔の下に色々なピンクの布をあてていく。
「うわっっ!これやばい!!
あれ、、?これすごくキレイにみえる」
といった娘さんのリアクションに
「そうなの!色によって全然ちがうんだよ~」
と言い、娘さんの反応を嬉しそうに眺めるお母さん。
肌をキレイに輝かせてくれる色
逆にくすませてしまう色。
その人の肌の色みによって、
調和する色としない色があることを
しっかり体感してもらった。
そして「よし!ダゼルちゃんのようになれるリップ
似合う色で探してみよう!」
と、色々なピンクの手づくりチークを
顔にあてていく。
粉チークは、ワセリンや蜜蝋など
クリーム状のものと混ぜるとリップにも変身。
似合うピンクは肌と調和するので、
チークにリップにアイシャドウにも使える。
そう、似合うピンクはとても役に立つ色なのだ。
ハッキリとした顔立ちの娘さんに似合ったのは
鮮やかなルビー色のピンク。
リップにして唇に塗ってみる。
ルビー色のリップは色だけが主張せずに
ふんわりと肌に調和してとーってもいい感じ。
ルビーピンクのベースが肌に合っているから
そして力強い色素と個性をもっているから
鮮やかなルビー色に負けず見事に調和するのだ。
リップをつけた鏡の中の自分を見て
「うわーー、、、!めっちゃいい!!」
と喜ぶ娘さんとお母さん。
ああ、私も嬉しい。
「ダゼルちゃんみたいだね」と声をかけると
娘さんの内側から
喜びが溢れてくるのが伝わってきた。
大好きな人みたいになれると
とーーーっても!嬉しいよね。
よかったよかった。
「似合う」って
やっぱりすごいぞ。
カラーハルモニア
三木 沙織